No.-01 アゴタ・クリストフ 悪童日記

悪童日記 (Hayakawa Novels)

悪童日記 (Hayakawa Novels)

きっかけ:スゴ本2011

人間は理性と野性でできている。

本をわりかし読む方だが、読むばかりでちっとも頭に残っていないことが気にかかっていた。
読まない本はたまる、新しい本を積んでいく日々・・・
そのなかでスゴ本2011の記事から、本ばかり読んでいるとバカになるの記事を読んだ。
あ〜やっぱり本を買うのはもったいないよね。読み返すことも殆ど無いのに。
とやっと気づき、これからは図書館をフルに利用して、アウトプットしていこうと。
年が明けるまで続くかな? というわけでNo.は-からのスタート。練習ってことで。


話がそれたが、内容に。
主人公は戦争の中『小さい町』に疎開してきた2人の双子の男の子。そこにはまぁきたねぇ婆さんが住んでいて、そこで暮らす2人。
日記というだけあって、2人の日記という形で物語は展開していく・・・

この双子の子供、タイトルの悪童と言われる悪童っぽい感じはしない。
戦時の中、2人で勉強したり、畑をしたりと非常に勤勉である。
しかし、『乞食の練習』や『盲と聾の練習』、『断食の訓練』果ては『残酷さの習得』までもストイックに2人で習得する。
戦下で誰もが生きるのに困っている中、彼らは淡々と必要なスキルを手に入れ、会得していく。
そこに子供らしさというものはない。

双子はめだかボックスの主人公、めだかちゃんを彷彿とさせる。
めだかちゃんは何でも完璧にこなせる。
勉強にしても、今朝読んだ新聞の何刷かまで覚えている。
支持率95%で生徒会長になるほどみんなに支持されている。
しかし、どこか普通の人と違う。
何か、根本的な考え方が違う。
めだかちゃんは、かつて戦った都城王土いわく『化物』であると言われた。
人の感情を理解できていない。と。


上の人物に共通する、人らしさの欠如。


人間は理性と野性のどちらも欠けてはいけない。

双子の周りではあらゆる野性(強奪強姦など)が渦巻く中、双子だけが理性を貫いている。
普通、理性を貫いている方が人間であると言われるはずなのに。

理性だけの薄気味悪さ。 双子は論理的に物事を進めているだけなのに。



初めてアゴタ・クリストフの本を読んだが、違うものも読みたくなる、非常に巧みな作品だった。


 

Sun, Mar 13

  • 19:48  RT @m78_ultraman: 【ぜんこくのおともだちへ】じしんがつづいてこわいかもしれないけれど、おとうさんやおかあさん、まわりのおとなのひとのいうことをきいていれば、だいじょうぶ。きみのことは、ぼくや、みんながまもるよ。きょうはゆっくりおやすみ。

Powered by twtr2src